電気は生活に必要不可欠なインフラです。
当然、電気関係をメンテナンスする電気工事士の仕事は、常に需要があるため不況でも強い…と、ここまでは多くの方がたどり着く答えです。
しかし、
・電気工事士取得の難易度はどれくらい?
・電気工事士の資格は本当に就職に役立つの?
・30代以上、未経験でも正社員に就職できる?
といった点まではご存知無いと思います。
そこで今回は、電気工事士の資格が就職に役立つか否かを徹底解説します。
電気工事士の取得難易度について
電気工事士の資格は『第二種電気工事士』と『第一種電気工事士』があります。
第二種と第一種の違いは、工事が出来る範囲です。
第二種の場合は小規模住宅などの工事しか出来ませんが、第一種を持っていると商業ビルなど大きな建物の保守・メンテナンスに参加する事が出来ます。
当然、上位資格である第一種電気工事士まで持っていた方が就職には有利です。
しかし、基本的に第一種の方が難しく、多くの方は就職して経験を積んだ後に、第一種電気工事士の資格を取得しています。
なので未経験の方は、第二種電気工事士の資格の取得に集中した方が良いでしょう。
第二種電気工事士の難易度
第二種電気工事士の難易度は『独学で2ヶ月程度』になります。
電気に関する知識を問う筆記試験と、10分ほどの実技試験をクリアすれば合格です。実技試験は、配電図を見て組み立てる作業になるので、電気の基礎知識が無いと難しいです。
筆記試験は2ヶ月頑張って勉強すれば取れるレベルです。
オームの法則など、基本的な公式を使えば解ける問題がほとんどで、受験勉強を経験したことのある人なら簡単でしょう。
逆に勉強が苦手な人は、3ヶ月ほどかかるかもしれません。
電気の基礎知識になるので、覚える事はそこそこあります。
試験にかかる費用は
『受験料9,300円+電気工事道具一式15,000円ぐらい+参考書+講習会費』
になります。
全部で3万円程度ですね。
合格率は40%ほどなので、参考書を使ってキチンと勉強すれば合格出来るでしょう。
第一種電気工事士の難易度
第一種電気工事士の場合は、難易度がグッと上がります。
合格率は25%程度で、試験内容はより複雑になり、事業用電動機などの配電図問題が出てきます。
公式をいくつも使って解く必要があるので、独学ですと6ヶ月~1年かかります。
第一種電気工事士の資格は、実務経験がないと免許が発行されないので、電気工事士の仕事をしながら取得するのがベターでしょう。
・第一種電気工事士免許の条件
実務経験が5年以上
電気科・電気工事科の大学・専門学校を卒業して、実務経験が3年以上
電気工事士二級と一級、求人数の差は?
電気工事士二級と一級では、求人数が違います。
一級のほうが求人数が約二倍になります。
電気工事士二級は難易度が低いため、取得する人も多く、その分、求人数は一級より少なくなります。
電気工事士一級の資格は『実務経験5年以上』でないと発行されないので、一級の求人は『経験者募集』という事になりますね。
どんな業界でも、実務経験ありの経験者の方が仕事に困らないのは同じです。
しかし、電気工事士は少子高齢化により人手不足なため、未経験でも入社できる会社は多いです。
ですから、二級取得→会社で実務5年→一級取得…という進路でステップアップしていけば、かなり安定したキャリアを手に入れる事が出来ますよ。
30代以上からでもチャレンジ出来て、おまけに手堅い仕事ですから、ハローワークなどでも推薦される事が多いですね。
30代以上、未経験でも正社員になれる?
電気工事士は高齢化が進んでいるため、30代でも若手です。いま現場で頑張っている方は50代、60代が多く、定年で引退する電気工事士の方が多くなってきているのが現状です。
そのため、30代未経験でも正社員になれます!やる気次第です。
インフラに関わる仕事で、需要は一定数あるものの、年々、作業員が減っており求人は常に出ています。
30代以上で未経験だと介護しかない…とよく言われていますが、電気工事士の方が年収も高く手に職なので、ずっと待遇が良いですよ。
将来、独立する事も出来ますし、工事系の仕事、肉体労働に抵抗がないならオススメの職種です。
さすがに50代、60代になると厳しいので、未経験から就職するなら30代まで。40代だとギリギリ…といったところですね。
経験さえ積んで資格を得てしまえば、年齢に関係なく仕事が出来るようになるので、就職するなら、なるべく速い方が良いですよ。
電気工事士の年収はいくら?
電気工事士の年収は、平均400万~500万です。
エアコン工事など小規模な電気工事を請け負う会社でも、年収400万到達している求人が多く、年収水準はまずまずと言えます。
第一種電気工事士を取得し、現場監督などになれば年収600万稼げます。
ただ、実務経験を積んだ後、独立するケースもあります。独立すると年収500万~1500万と振れ幅が大きくなりますね。
独立は、自営業になるので不安定ではありますが、上手く仕事が軌道に乗れば、年収1500万も夢ではありません。
最終的に独立も視野に入るのが、手に職である電気工事士の良い所ですね。
商業ビルの保守・管理を行うビルメンテナンス業の場合、年収300万前後になります。
ビルメンテナンスは『トラブル対応』『保守点検』がメインなので、業務内容が楽な分、年収は低くなりますね。
年収よりも楽さを優先したい人は、ビルメンテナンスを行っている会社が向いています。
電気工事士の労働時間は?残業はあるの?
電気工事士の労働時間は、平均月25時間です。
会社が請け負う工事にもよりますが、時間がおして1時間前後の残業が発生する事もあります。
またトラブルが起きると、休日出勤になる事もあります。やはりインフラ系ですから、突然トラブルが起きて対応に追われる…という事もあります。
労働時間が最も短いのは、ビルメンテナンス業務です。
ビルメンテナンスは完全な24hシフト制なので、トラブル発生時以外は残業が起こらない会社が多いです。
第一種電気工事士の免許を取り、大型施設の建設などの現場に入ると残業時間が増える事が多いです。
他社や土方の人も関わってきますし、納期も厳しいので、残業時間が気になるなら必ず会社が請け負っている仕事の種類などを確認しておきましょう。
電気工事士の資格は独学より会社サポートありで取るべし
独学でも取れる電気工事士二級ですが、実はほとんどの会社では『入社後に資格取得サポート』という制度を取っています。
会社で研修を受けながら資格を取得して、二級合格後、実務経験を積んで一級をめざす…という進路をしっかりサポートしてくれます。
独学で取得してから就職活動をしても良いのですが、少しでも職歴の空白期間を短くするためにも、資格サポートのある未経験OKの求人に応募したほうがお得です。
実際に、電気工事の会社に入って実務をやりながら勉強した方がモチベーションが上がりますし、給料も貰えます。
もし電気工事士の仕事が向いてない…と感じたら、早めに進路を変える事も出来るので、時間を無駄にしません。
一昔前は資格を取ってから就職が一般的でしたが、人手不足の今はどこも資格無しでOK、入社後サポートが基本です。
先輩に試験対策を教えてもらう事も出来ますし、試験費用や工具代を出してもらえるので、うまく会社を利用して資格を取得しましょう。
資格取得サポートありの電気工事士の求人を探すなら、プロである転職エージェントに相談して、求人を紹介してもらうのが一番楽です。
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