「契約社員だけど、将来が不安…」
「就職活動が上手くいかなかったので契約社員になろうと思ってるんだけど…」
契約社員について、そんな不安をお持ちではありませんか?
私はリーマンショックを経験した世代ですので、
非正規雇用(アルバイト・契約社員・派遣社員)=不安定
という認識が強いですが、リーマンショックを直撃していない方の場合、契約社員のデメリットについてあまり意識していない事が多いようです。
リーマンショックとは、2008年に起きた金融危機で、その後、世界が未曾有の大不況になりました。
当時、日本では契約社員・派遣社員が次々にクビを切られ、求人も無くなったため、失業者が街にあふれていました。
リーマンショック後、日比谷公園に出来た「派遣村」の様子。
あれから時が経ち、今では「社会保険もあって、17時に帰れる契約社員になろう!」などと、のんきな募集をよく目にします。
しかし、契約社員を募集する人材会社は、当然、良い事しか言いません。
「契約社員といっても毎年契約は継続されるので正社員と変わらないですよ」
「社保もありますし、正社員と違って残業もありませんから働きやすいですよ」
このようなセールストークで、訪れた人を「じゃあ、契約社員でいっか…」と思わせてしまう。それが人材会社のやり方です。
結論から言いますが、契約社員は不安定ですし給料も安いです。
特別な理由がない限り、正社員の仕事を探したほうが精神的にも経済的にも楽でしょう。
今回は、契約社員の不安な点と将来性について正社員と比較した結果を紹介します。
雇用の安定性の比較
まずは雇用の安定性について、契約社員と正社員で比較してみましょう。
正社員:
無期雇用。
自主退職や解雇事由になるような事をしない限り、働き続ける事が出来る。
労働法に守られているため、そう簡単にクビにはされない。
理不尽な解雇を受けた場合、裁判を起こし復職や示談での賠償金を請求できる。
契約社員:
有期雇用(数ヶ月~1,2年毎に契約を更新)。
契約期間内は、正社員と同じく、自主退職や解雇事由になるような事をしない限り働き続ける事が出来る。
ただし、契約更新月に、経営者都合で契約を更新しなければ、その時点で満了となり退職しなければならない。
――
いかがでしょうか?
正社員は、現在の法律では相当に守られている立場であり、例えば経営者が
「40代、50代が多くなってきたので、そこらへんの年齢の奴を全員切って若手に入れ替えたい」
なんて無茶苦茶な事をしようと思っても、それは出来ません。
しかし、契約社員の場合は別で、期間満了日に「更新しません」と経営者が言えば、それでオシマイです。
契約社員は、社会保険もありフルタイムでの仕事なので、一見、無期雇用のように思えますが、実はアルバイトと変わらない弱い立場なのです。
若い時はよくても、30代、40代、50代…と歳を重ねる毎に、クビを切られるリスクは増えていきます。
40代で契約社員。契約を切られたら、どうしよう…なんてドキドキしながら働くのは、とても幸せとは言えません。
経営者は残酷なもので、例え契約終了で個人が困ろうとお構いなしです。
自分の雇用は、自分で守るしかないのです。その点で、契約社員はデメリットが大きいですね。
将来性(キャリア)の比較
将来性(キャリア)について、契約社員と正社員で比較してみましょう。
正社員:
責任感の重い重要な仕事を任されるため、転職やキャリアアップで役立つ職務経験を積める。
管理職経験などは30代以上の転職において強みになる。
契約社員:
誰にでも出来る仕事しか任せないので、転職やキャリアアップにおいて強みにならない。
管理職経験を積む事は基本的に出来ない。
(管理職は、簡単に辞められると困るので基本は正社員に任せる)
――
キャリアについても、正社員の方が将来的に得をします。
ただし、正社員は責任の重い仕事を任せられるので、精神的なプレッシャーもそれなりにあります。
契約社員が気楽な点は、マニュアル通りにやればOKな仕事が多いため、楽なところですね。
もちろん、仕事が楽という事は、キャリアアップも無ければ、いざ会社が傾いた時に転職で苦戦する…という事の裏返しになります。
正社員の場合、キャリアを積んでいけば、おのずと年収は増えていきます。
しかし契約社員はアルバイトでも出来る仕事を永遠にやる事になるので、5年後、10年後の人材価値(あなたの適正年収)は大きく差が開いてしまうでしょう。
契約社員は、一時的なしのぎとしては良いですが、長期的に見ると厳しい…というのが現状です。
年収の比較
おそらく、多くの方が気になっているお金の話に入ります。
年収について、契約社員と正社員で比較してみましょう。
正社員の場合:
昇給や出世があるため、徐々に年収は上がっていく。
また、職歴を積んでキャリアアップの転職に成功すれば、年収は100万単位でアップする。
基本給が上がればボーナスもアップするため、年収の伸び幅は大きい。
退職金制度があれば、退職金を受け取る事が出来る。
退職金は税金が優遇されているため、まとまった現金を手に入れる事ができる。
(※:退職金にかかる税金は通常の2分の1以下です)
契約社員の場合:
年収は一定して低い。
契約社員の場合、特別な技能がなければ年収300万前後で頭打ちになる。
昇給や出世もなく、ボーナスも寸志しか出ない。
非正規雇用の職歴はそこまで評価されないため、キャリアアップの転職も難しい。
――
正社員と契約社員の比較において、最も残酷な結果になったのは賃金の伸び率です。
下記は正社員と契約社員の平均年収のグラフです。
ご覧の通り、年齢が上がるにつれて、その差は広がっています。
もちろん、正社員でも賃金が低い業界・会社であれば、400万、500万で頭打ちになるケースもありますが、それでも契約社員の平均年収と比べると高いですね。
そして退職金制度がある場合、これも大きな差の原因になります。
契約社員では退職金なんてありませんから、老後もずっと働き続けなければいけません。
特に、年金は今後70歳以上での支給が濃厚ですから、退職金は重要な老後資金になります。
契約社員は、人生の後半戦でも厳しい生活を強いられるのです。
社会的信頼の比較
前項では、目に見える資産について比較しましたが、目に見えない社会的信頼という資産も重要な点です。
社会的信頼について、契約社員と正社員で比較してみましょう。
正社員の場合:
社会的信頼があり、住宅ローンや自動車ローンなどを組むことが出来る。
頭金が少なくてもマイホーム取得が出来る。
いざという時、借金をすることが出来る。
クレジットカードを簡単に作れる。
結婚に関して、相手の親に信頼と安心を与えることが出来る。
契約社員の場合:
社会的信頼が弱く、ローンを組む際に条件をつけられる(頭金を入れるなど)。
住宅ローンに関しては、国が貸し出しているフラット35ならば年収に応じて借りられるため、住宅ローンを組むことは出来る。ただし年収に応じての借入なので、上限は低い。
借金できる額が少ない。いざという時、カードローンに頼る事も出来ない。
クレジットカードは作れるが、ゴールドカードなどは難しい。
結婚に関して、相手の親を不安にさせる。
――
いかがでしょうか?
どんなに人材会社が良いことを言っても、銀行は正直です。
契約社員の雇用は不安定ですから、破綻リスクのある契約社員にはあまりお金を貸したがらないのです。
正社員というのは、それだけで一定の社会的信頼が付与されて、住宅ローンやクレジットカードを簡単に手に入れる事ができます。
すなわち「この人ならお金をしっかり返してくれるだろう」と思われているという事です。
社会的信頼は、結婚においても重要です。
相手が非正規雇用だと分かれば「うっ…」と思ってしまう親も多いでしょう。
結論:ゆっくりでも良いので正社員を目指すべきです
残念ながら、契約社員と正社員を比較すると、契約社員の悪い点、不安な点が明確に出てしまいました。
「契約社員でも、何とかなるさ」
という前向きな姿勢は大事なのですが、やはり、どこかのタイミングで正社員に切り替える必要があります。
契約社員を続けていれば正社員になれるかというと、そうではなく、やはり最初から正社員を募集している求人に絞って就職活動をするのがベストでしょう。
中には、契約社員に対して「長く働けば正社員にしてあげる」と根拠のないエサで釣って、安くこき使う悪質な会社もあります。
就職活動は大変ですが、ゆっくりでも良いので、正社員のキャリアを目指して就職活動を行いましょう。
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