塾講師は、アルバイトとしては時給が高く大学生には人気のバイトです。
どの地区にも一つは必ず大手塾がありますし、教育産業、受験産業は無くならないですから正社員として働く上でも働きやすそうに思えます。
しかし、実際は真逆で、正社員で塾講師になると薄給激務という辛い現実が待っています。
昔から教育産業、特に塾講師という職業は、一部のカリスマ的な人気を誇る塾講師や独立・フランチャイズで上手くいった人を除いて、昇給も出世も見えてこない厳しい労働環境が基本なのです。
また、一見、時給が高くて良さそうな塾講師のアルバイトも、授業の準備など授業外の拘束時間があり時給にすると実は低かった…というブラックな側面もあります。
「塾講師はブラック」
というのは、近年、急速に広まっています。
そんな事はつゆ知らず塾講師になってしまい「塾講師を辞めたい…」と思っている人は、教育に身を捧げる、独立する等の展望がないなら、今すぐ転職するべきです。
塾講師は頑張っても報われない業界の一つですし、責任も重く、やりがい以上に搾取が多く、雇われ塾講師のままでは正社員であっても生活は苦しいままですよ。
今回は塾講師を辞めたいと思っている人向けの、転職ノウハウを紹介します。
塾講師が転職において勘違いしやすい間違った自己PRのやり方
塾講師はスキルが身につかず転職は難しい…というのは、正直に言って半分正解です。
一般的な職種――営業や経理に比べたら、例えば見積書を作ったり伝票処理を行ったり「お金」を扱う経験が塾講師ではなかなか出来ないため、転職をする際に難色を示される事が多いのです。
販売業のようにカスタマーサービス、顧客満足度の面で攻めようと思っても、相手は基本的に子供、学生ですから、上手にアピールしないと「教育とビジネスは違う」と一蹴されてしまうでしょう。
塾講師の方で、他業種への転職をしたいが苦戦している…という方の多くは「教育」にこだわり過ぎていて、実利、つまりビジネスの面でのアピールが出来ていません。
どんなに
「子供たちの事を思って分かりやすい授業を心がけてきた」
「一人一人、しっかりコミュニケーションをとることを心がけてきた」
「出来ない子には、個別で補修を行い落ちこぼれないようフォローした」
など教育者としての実績、心構えをアピールしても、ビジネスを行っている一般企業ではあまり評価されません。
同じ教育産業への転職であれば、このアピール方法は問題ないでしょう。
しかし、実利を求める一般企業に転職したいのであれば、教育という切り口でアピールするのではなく、いかにビジネスに役立つかという点で押し切らなければ内定は出ません。
ビジネス面を含めた自己PR 実例
「夏の無料夏期講習を受けにきた顧客をリピーターにつなげるために、親への説明会を開催し、授業で使うプリントや勉強計画を配ってフォローをした。その結果、夏期講習を受けた顧客の約8割がリピーターになった」
「中学1年生のクラスの集客に苦戦していたが、競争相手となる塾では英語の初心者向けコースが充実していなかったため、そのマーケットを確保するために2週間限定の『無料で英語の苦手を克服するコース』を提案、実行した。その結果、5人だった中1英語クラスは15人まで拡大した」
このように、教育ではなく営業、利益確保、集客といったビジネス視点で実績を語らなければ、面接を突破出来ません。
企業が欲しがっているのは、優秀な教育者ではありません。優秀なビジネスマンです。
他業種に転職するなら、教育にこだわるという価値観を一度、改める必要があるのです。
公立の学校であれば利益など考える必要はなく、教育に集中出来るのですが、塾講師は別です。
塾は営利目的の競争社会。つまりはビジネスです。
子供に勉強を教えたいから塾講師になった人でも、ビジネスなのですから「教育と企業経営」両方の視点を持って転職に挑みましょう。
持ち帰り残業が無給なのはおかしい事です
教育に携わっている人に多いのが、家で採点をしたりプリントを作ったりする事が「残業」という認識がなく、無給が当たり前と思っている事です。
どんな業務でも、仕事は仕事。残業は残業です。
家に持ち帰って仕事をしているのなら、その分の残業代が発生するのが普通なのです。
しかし、塾講師の場合、多くの企業でこの「持ち帰り残業」が慣習化しています。
本来、プリントを作ったり授業の準備をするといった作業は残業として扱うべきであり、自宅でやっているから「自主的なので残業ではない」と捉えるのはおかしいのです。
昔から教育産業には「子供のために身を捧げよ」という価値観がありますから、その時の慣習がまだ残っているのでしょう。
公務員である教師も、似たようなジレンマを抱えています。部活動や自宅でのプリント作りは残業に入らない…というシステムのせいで公務員でもトップクラスの長時間労働と有名です。
公務員の教師ですら、この有り様なのですから、雇われ塾講師が薄給激務なのも納得ですね。
しかし、私達には生活があります。結婚をしたり旅行をしたり、将来のための貯金をするのに、年収300万円代で一生「教育に身を捧げよ」という精神ではやってられません。
もし、教育に捧げるつもりがない。カリスマ塾講師を目指したり独立といった目標がない。もう塾講師を辞めたい…と思っているのなら、年齢が若いうちに他業種に転職をしましょう。
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