旅行ツアーの企画を立てたり、電話営業をして団体旅行の案件をもらう旅行会社の営業の仕事。
旅行会社では営業部門が企画も兼任していることが多く、仕事内容は多岐にわたり大変です。
しかし、お客様の旅行を最後までサポートできるやりがいのある仕事で、旅行好きの人、旅行に詳しい人、お客様の隠れたニーズを把握して喜ばせることができる人に向いている職業です。
今回は旅行会社の営業の仕事内容や求められる能力、苦労するポイントなどを紹介します。
仕事内容を把握しておくと、志望動機を書く際に便利なので、ぜひ就職活動や転職活動に役立ててください。
団体旅行を取り扱うのが基本
旅行会社の営業と聞くと、個人旅行や個人相手のツアーを企画するのが主な仕事だと思われがちですが、一番多いのが企業の旅行をサポートする法人向け営業が多いです。
会社で旅行といっても、単なる社内旅行だけではありません。海外を視察する視察旅行や、会社のキャンペーンに当選した消費者を招く懸賞旅行などビジネス目的の旅行も多いです。
旅行会社の営業の仕事は、まずそういった法人の旅行ニーズを探すところからスタートします。
旅行ニーズを見つけるには、経済新聞などを読み、各会社、各業界の動向を把握しておく必要が有ります。
例えば、おむつを製造している会社が東南アジアへの進出に着手した、というニュースを見たら「この会社は今後、東南アジアでのオムツ業界をリサーチするために、東南アジアへの視察旅行を行うかもしれない」と予測できます。
こういった細かいニュースから仮説を立てて、電話で営業をかけるのが基本的な仕事になります。
新人のうちは、なかなか旅行ニーズを持っている会社を見つけるのが難しく、営業をしても断られることがほとんどです。
しかし、仕事を続けていくうちに信用されるようになっていき、最終的にはお客様からの紹介やつながりで仕事を貰うことができるようになります。
お客様にかわって魅力的なツアーの企画を立てる
営業をしてアポイントが取れたら、お客様の希望を聞いて旅行プランを立てます。
行き先や宿泊先、メインの催し物、飛行機やバスなど移動手段の手配、旅費の見積もりや旅行ルート、スケジュールなど細かく詰めなければいけません。
この時、お客様のニーズから外れた企画を作ってしまったり、情報が間違っていたりすると一気に信用を失いますから、最新の注意を払わなければいけません。お客様は旅行のプロである旅行会社に任せているから安心しています。その信頼を裏切ってしまったら、あなただけでなく会社の看板に泥を塗ることになります。企画の作成は、最も気を使う仕事です。
こうして企画が完成したら、お客様に完成した企画の提案をします。
しかし、ここで仕事が決まるほど旅行会社の営業の仕事は甘くありません。競争相手の旅行会社とコンペ(競争)になります。
お互いにお客様の前で考えてきた企画をプレゼンテーションして、お客様が良いと思った企画だけが採用されます。どんなに頑張って企画書を作っても、お客様に選ばれなければ、その仕事はおじゃんになります。そのため、他者とは違う飛び抜けた魅力があって、なおかつお客様にとって最良のプランを作ってコンペで勝つことが営業の目標になります。
百人以上が安価する法人の旅行案件を獲得できれば、売上は数千万円単位です。
優秀な旅行営業マンになると年間で億単位の売上を叩き出しますから、当然、給料も多くなりますし、お客様からの信頼も増えて、とてもやりがいのある仕事になります。
一方で、お客様の都合でキャンセルになることもあります。
丹精込めて作った企画が通り、いざ準備をしようとした時に電話一本で「やっぱりあの旅行やめるよ」と言われることもあります。
お客様にも都合がありますから、キャンセルは致し方ないことです。しかし、企画にかけた労力がパアになってしまう辛さは泣きたくなるほど辛いです。
また、意見をコロコロ変えるお客様の担当になると大変です。予約の振替やキャンセルなどは団体の場合、とても大変な作業になります。とくに直前で「あれがやりたい」「こっちに行きたい」とプランを混ぜ返されると、旅行会社の営業は大慌てになります。お客様をしっかりコントロールする能力が必要です。
お客様からの「ありがとう」が最大のやりがい
旅行というのは喜び、楽しみを演出するイベントです。
自分の企画した旅行プランで、お客様が楽しんでもらえて「感動した」「ありがとう」といってもらえた時の嬉しさは言葉にできないほど大きいもの。
良いツアーを企画して、無事、旅行を終えられた時の安心感。そして、参加者からお礼の手紙や電話が来た時の達成感は、一度味わうとやめられない魅力があります。
人をサポートするのが好き、旅行経験が豊富、旅行計画を立てるのが得意、お客様のニーズをしっかり汲み取ることができる人などが旅行会社の営業に向いています。
旅行を扱う仕事なので、休みや労働時間は不定期になりやすいですが、添乗員としてツアーについていくことも多いので世界中を飛び回ることが出来ます。やりがいや刺激、達成感を求める人にオススメの職業といえるでしょう。