世の中のサラリーマンを苦しめるサービス残業。
人の命に携わる看護師も例外ではありません。
看護師の給料や待遇は病院によって異なります。働きやすい病院であれば残業代や夜勤手当も満額出ますが、ブラックな病院だと残業代0。残業代が出る病院と出ない病院で月給5万円以上の差が出ることも珍しくありません。
私の友人の看護師がいた病院では、定時が18時でしたが実際は電子カルテや事務処理で帰宅はいつも21時過ぎでした。しかし、残業代が出ない病院だったので、最後には不満をぶちまけて辞めてしまいました。
そのブラック病院は「残業代は基本給に入っている(?)」という謎の理屈をゴリ押しして「嫌なら辞めろ」といわんばかりに上が圧力をかけてきました。
そんなひどい病院があるの? と思う人は恵まれています。看護師は「人の命を預かっているのだから残業もやむなし」という理屈を病院側から押し付けられることが多く、サービス残業は珍しいことではないのです。
今回はそんなサービス残業を強要するブラック病院に入ってしまったらどう対処するべきなのかを紹介します。
サービス残業がいかに損をしているか知っておこう
残業代っていくら貰えるか知っていますか?
残業代は基本的に時間外であれば25%アップ、更に22時以降の深夜になると25%アップします。
さらに休日出勤であれば35%アップしますから、休日出勤してなおかつ深夜になると合計60%もアップすることになります。
もし時給1500円換算だと残業代は時給1875円に、深夜だと時給2250円にまで上昇します。
看護師の給料が高いと言われているのは、看護師は夜勤が多く夜勤手当が貰えるからという点もあります。シフトにもよりますが、一般的に残業代+夜勤手当で月に10万円は貰えることが多く、サービス残業が多い看護師は毎月10万円も搾取されている計算になります。
残業代が満額出る病院で、夜勤中心で働いている看護師は月給40万超えであることがザラです。職務内容は同じなのに、サービス残業を強要するブラック病院とは雲泥の差ですね。
違法労働を押し付ける病院と泣き寝入りの実態
これだけ見ると、サービス残業を強いるブラック病院で働くのはなるべく避けたいですね。しかし、ブラック病院は求人に「残業代は出ません」なんて正直に書きませんから、働いてみて初めてサービス残業が横行しているブラック病院だということを知るケースが多いです。
彼らブラック病院の言い分で多いのが
「残業代は基本給に含まれているから残業代は支給しない」
「年棒制だから残業代は年収に含まれる」
といった言い訳です。
これらは立派な労働法違反です。ところがサービス残業を強要しても具体的な罰則が無いので、雇われる側の看護師は泣き寝入りするしかないのが現状です。立場が弱い労働者側だからこそ、働く病院はしっかり選ばなければいけないのです。
もしブラック病院に勤めてしまったら、出来るだけ早く転職の準備をしましょう。
看護師は転職が容易なので、サラリーマンのように職歴を気にして長く勤める必要はありません。ブラック病院は雰囲気も悪いことが多いので、百害あって一利なしです。資格職だからこそ、なるべく早く泥船は脱出すべきなのです。
サービス残業を押し付ける病院は経営が危ない可能性も
近年、病院の口コミサイトが次々と出てきており、評判の悪い病院には患者が集まらなく成りました。
競争は激化し、病院経営も簡単ではなくなりました。病院によっては赤字により看護師の年収がどんどん削られる、ボーナスが削られるといったケースもあり、現場に負担がかかる場合も珍しくありません。
経営が傾いた病院からは、ベテランナースが次々抜けていきますから、教育制度もめちゃくちゃになりますし、現場は大変な苦労を押し付けられます。
もし経営が危なそう、と感じたら、やはり早め早めに脱出するべきです。
下手に残っていると、とんでもない責任や大量のサービス残業を押し付けられる可能性が高くなります。
委員会という名の無償労働
委員会活動に力を入れている病院で、委員会を掛け持ちさせられると最悪です。
委員会活動に参加すると、会議用のレジュメなど書類を作成する仕事が増えて、本来の業務を圧迫します。
泣く泣く自宅に持ち帰り、自宅でサービス残業をする看護師もいます。
委員会が一つくらいならマシですが、場合によっては複数の委員会に参加することを強要されることもあります。
経験三年目の看護師が少ない病院では、特に白羽の矢を立てられることが多く、気付いたら委員会の仕事ばかりしている、といったケースもあります。
病院側が改善に対して意識が高いのは良いのですが、あまりにも看護師の負担になるようだったら、転職を考えましょう。
病院によっては「形だけの委員会」になっている委員会に対して意識の低い病院もあるので、そっちのほうが看護師からの評判は良かったりします。書類仕事はテンションが下がる作業ですから、なるべく受けたくない、というのが本音ですよね。
書類仕事に追われて患者さんとコミュニケーションを取れないようでは、やりがいも感じられません。
委員会という名のサービス残業発生装置には要注意です。
残業代の出る病院を選ぶには
残業代が出る病院を選ぶ方法は、一番良いのはそこで働いている看護師に紹介してもらうことです。内部の事情が分からず嘘か本当かも怪しい病院に応募するよりも、中で働いている人のお墨付きの病院に応募したほうがずっと確実です。
しかし、なかなか横のつながりで紹介してもらうのも難しいですね。
オススメの方法は看護師専門の転職エージェントを利用して、優良な病院を紹介してもらうことです。
看護師の強みは資格職だからこそ転職がしやすいという点です。転職エージェントはあなたの希望や条件、勤務地などをヒアリングして、それにあった病院の求人をピックアップしてくれます。
転職エージェントは転職斡旋のプロなので、当然、求人もしっかりふるいにかけていますから、ブラック病院を引いてしまう心配はありません。残業代の有無や年収、年間休日までしっかりリサーチして伝えてくれますから、転職者にとって一番重要な病院の中の情報を簡単に得ることが出来ます。
また、面倒な履歴書や職務履歴書などの書類作成もしっかりサポートしてくれるので、内定率も高く転職活動の手間が大幅に省けます。
特に初めて転職する看護師の方は、転職のやり方や転職での立ち回り方、給料や休日数の相場が分からないことが多いでしょうから、最初は転職エージェントを利用して転職の知識をアドバイスしてもらうと良いでしょう。
例えば看護師と一言でいっても、美容整形外科の看護師などは、年収が高いかわりに営業ノルマがあり契約をとる接客力が必要とされるなど、勤める病院によって必要なスキル、待遇がかなり変わってきます。
自分にあった働き方を選ぶためにも、転職のプロにアドバイスしてもらいながら転職することをオススメします。
看護師専門の転職エージェントならマイナビ看護師がオススメです。
大手マイナビの転職エージェントなので、求人数が多く希望条件にあった求人を見つけやすいというメリットがあります。また看護師の転職ノウハウを知り尽くしたエージェントが担当となり最後までサポートしてくれるので、一人で転職活動をするよりもぐっと楽になります。
「石の上にも三年」
「一人前になるまで修行だと思え」
と考えてしまい、ブラック病院に勤め続けても何も良いことはありません。サービス残業は単なる搾取ですから、院長が豊かになるだけです。ぜひ一度、自分の残業代を計算してみましょう。残業代が出ない病院で働き続けるよりも、さっと転職してホワイトな病院にうつったほうがずっと働きやすくなりますよ。