今まで留学したかったけど、結局、海外に出ることなく就活の時期を迎えてしまった……。
そんな人にとって悩ましいのが、就活を優先するか留学を優先するかという問題です。
就職活動をしても、ふと自分の行動に疑問を感じた時、なおさら「本当の私が今やりたいのは留学なのに!」と葛藤することもあると思います。
選択肢の多い新卒を捨てて留学を選ぶのは勇気がいりますよね。
しかし、留学をして既卒になってしまった学生を積極的に採用している企業が、現在増えているのです。
ここでは、就活をやめて留学して、既卒になってしまった人の帰国後の就職活動のコツを教えます。
TOEICなど英語力の証明は必須
就活をせずに留学をした人を企業がどのように見るかというと、大雑把に二種類に分類してきます。
まず「グローバルな価値観と語学力を持った人材」。
これは留学経験をプラスにとらえており、採用される可能性が高い人材です。近年、業務に英語を使うポジションは人手不足で、特に海外とやり取り必須の部署がある商社や外資系企業などは留学経験者の採用を積極的に行っています。
もう一つは「就活から逃げて親のお金で遊んできた留学生orバカホリ」という捉え方です。
残念ながら、留学生=学習意識が高く語学力のある人材、というわけではありません。
就活が嫌で親のお金で海外で遊んできた人もいますし、語学学校で何を勉強してきたの? というくらい英語力が低い人がたくさんいます。
特に先進国、カナダやアメリカなどの留学生には、親が金持ちのおぼっちゃま、お嬢様がおり、ハングリー精神の薄い、人材としてはあまり採用したくないタイプの人材が山ほどいます。
留学経験のある既卒者が、後者に分類されないようにするためには、しっかりとTOEICや英検、IELTSなどの英語力を示すテストで結果を出すことが大切です。
また、自己PRで、留学で学んだこと、苦労したことをしっかりと伝えて、根性があり学習意欲も高い人材であることをアピールする必要があります。
TOEICはできれば700点以上欲しいですが、最低でも600点取れていれば履歴書に書くことが出来ます。
TOEICの点数が低い場合は、バックパッカー経験や世界一周などハングリーな行動をしていれば、フィリピンやマレーシアなど現在成長している途上国相手でも商売が出来る根性の持ち主、と捉えられることが多いので、そういった語学力以外での強みが必要です。
必要なのは体力と根性
留学経験者に求められるのは、意外と語学力よりも体力と根性です。
留学経験者を採用するということは、当然、英語をはじめとする外国語を使った部署に配属されますから、予想外の出来事や文化の違いにうまく対応しなければなりません。
根性がなく「誰か何とかして~」と他人に甘えるような人材では到底務まりません。そのため、ハングリー精神や自分で何とかする能力を求められます。
また、海外出張が多い場合は時差ボケなどにも対応しなければいけないので、体力が求められます。
出張は国内でもかなり疲れますから、海外となるとさらに体力は必要になるでしょう。
それゆえ、旅慣れしておりフットワークが軽いバックパッカーなどは、外資系企業などで重宝されるのです。
外資系企業を狙おう
留学経験者の既卒者には、語学力を活かせる会社で働きたい、という人が多いと思います。
しかし国内を拠点にする企業の多くは英語が活かせる場面が少なく、門戸も狭いです。
そこで、外資系企業の日本支社を狙いましょう。
外資系企業は本国とやり取りすることが必須なので、必ず英語をはじめとする外国語が必須になります。
本国から日本に視察・営業に来る方は当然、グローバル社会では共通言語である英語を使うので、英語を活かせる環境です。
英語は使わないと腐っていきます。
ぜひ英語力を維持するためにも、外資系企業を狙って行きましょう。
留学生採用フェアに参加しよう
留学生や留学経験者の採用を考えている企業が一同に集うイベントは、毎年定期的に開催されています。
外国人留学生も混じっているので、ライバルが多いかな? と思う人もいますが、実際、日本語が喋れる外国人よりも英語が喋れる日本人を求めている企業が多いのが事実です。
というのも、外国人にとって日本語は理解出来ても日本の「空気を読む」文化は微妙に理解出来ないことが多いですし、取引先が「付き添いは日本人がいい」とわがままを言うこともあるので、日本人は一定数取りたいというのが格企業の本音のようです。
また、外国人留学生を雇っても、あまり長く働いてくれないというのも、外国人留学生を雇うデメリットです。
故郷に帰ってしまったり、日本企業を踏み台にしてキャリアアップ転職をしたり、グローバルな人材は転職をして自分の価値を高めていきますから、日本企業とはウマが合わないことが多いようです。
なので、尻込みせずにどんどんフェアに参加して就活をしましょう。
留学生は新卒とは違うフィールドで就活を行うことになりますが、しっかり勉強していれば内定は取れます。
もし、就活の時期に「留学したい!」と思ったら、ダラダラ就活するよりも思い切って留学に行くのもありだと思います。
もしくは、2~3年ほど働いて職歴と貯金をためてから海外留学するというのも賢い選択です。
就職をしたら留学に行けない、という縛りはありませんから、若いうちにぜひ海外で勉強するという貴重な経験を積むことをオススメします。