よく「転職すると年収が下がるから転職しないほうがいい」と言われます。
確かに転職データでは、転職せず1つの会社に務めた人のほうが平均年収が高いとなっています。しかし、それは平均の話であって、すべての人が年収ダウンするわけではありません。
また、例え年収が下がっても、転職したほうが長期的に見てメリットが多い場合があります。
具体的に事例を見ていきましょう。
沈みゆく船に乗り続けるリスク
例えば、落ちぶれていく業界、会社に勤めている場合は、転職しないとリストラや倒産などで最悪の場合は失職してしまう可能性もあります。
人間関係が悪い職場にいる場合も、長期的に見て転職しないことがデメリットになる可能性があります。正社員の場合、職場にいる時間が長いですから、環境が悪いと想像以上に精神的に負担になってしまいます。
パワハラがあったりすると、ストレスから鬱病などの精神疾患になってしまいます。そうすると、休職に追い込まれてしまい、結果的に転職するよりも失うものが多くなってしまいます。
年収だけで考えないことが大切
転職において年収は大切です。特に既婚者で家族がいるならば、年収はシビアに考えていかなければいけません。しかし、仕事をする環境や業界の流れも視野に入れて、転職するか否かを考えるべきです。
グローバル化やIT化によって、今後、景気の良い業界と落ちぶれていく業界の格差がどんどん広がっていきます。
かつて大企業と呼ばれていたパナソニックは、需要の低くなってしまったテレビ製造に集中しすぎて大幅なリストラや給料カットを行っていますし、東京電力は福島第一原発事故によって給料も下がり『世間体の悪い企業』になってしまいました。
また、同じ業界でも企業によって格差が出ることもあります。
例えばスマートフォンゲームなどは、出始めは誰でも稼げるくらい景気が良かったのですが、今では開発費が高騰し、勝ち組企業と負け組企業の差が大きく開きました。
転職を考えるならば、企業や業界の成長率、将来性も視野に入れて考えるべきでしょう。
また、前述した通り職場の人間関係や残業時間なども社会人の幸福度に大きく関係します。
どんなに高給でも、残業が多く家族と過ごす時間がまともにとれなかったり、転勤が多く家族に負担をかけるようであれば、年収が下がっても労働時間が少ない職種、企業に転職するメリットはあります。
現状維持は一番危険
多くの日本人は環境に不満がなければ現状維持を望みます。
しかし、現状維持は衰退のはじまりと言われている通り、常に向上心を持ち続けることが大切です。新聞を読み、世界の流れを理解し、もしも自分の仕事が今後無くなるであろう、勤めている企業の経営体制が変わってダメになりそうだ、と思ったら転職を考えるべきです。
一番良いのは、自分のキャリア(自分の市場価値)を常に意識して、もし会社が倒産したり不祥事を起こしても、素早く転職出来るようにしっかりとキャリアアップをしていくことです。
資格取得や副業、セミナーなどに参加して人脈を拡大しておくなど、しっかりキャリアを意識して活動していきましょう。