文章力が必要な職業は作家やライターだけではありません。
メーカーに勤めるビジネスマンも、現場で働いている作業員も、実は文章力を必要とする職業なのです。
文章力と一口に言っても、細かく見ていけば様々な能力があります。
ライティング能力
・読みやすい文章を書く力
・文章を素早く組み立てる力
・大量の文章を書く力
・文章を要点に絞って短くまとめる力
・語彙、言い回しの数
リーディング能力
・文章を素早く読み理解する力
・難解な文章を読解する力
・行間を読み、文章の先にあるニーズを理解する力
このように、改めて文章力というものを見ていくと、ビジネスにおいて文章力が必須と言われている理由がよく分かります。
営業であれば、客先に配る資料、メールなどは読みやすく書く必要がありますし、大量の資料を調べなければいけない時に、読むのに時間がかかっていたら仕事が遅れてしまいます。
多くの書籍では速読や理解力などリーディング能力に関するものが多いので、この記事ではライティング能力を鍛える方法を教えます。
読みやすい文章にするには改行や句読点を理解する
あなたは5行くらい改行無しでダラダラと書かれた文章を読みやすいと感じますか? 人間は文章の塊が3行以上続くとストレスを感じると言われています。
私もブログを書く時は概ね3行ほどで改行をしています。
また、話題が変わる時や、一度、息継ぎをしたいときにも改行を挟んでいます。
これはメールや資料にも当てはまり、適切な改行、空白がないと文章は読みにくいのです。改行を適切な位置に挟んで読みやすい文章を心がけましょう。
また、句読点の位置も大切です。
文章を書いたら、一度、頭の中で声に出して読んでみましょう。
例えばこの一文のように句読点のない文章は息継ぎがなく読んでいるうちにとても疲れてしまい結果として読みにくい文章になっています。
一文が長くなる時は句読点を2つほど入れると、落ち着きのある文章になり、読み手に息継ぎのタイミングを与えます。
上記の文で句読点を入れるなら、下記の点でしょう。
例えば、
息継ぎがなく、
何気なく使っている句読点ですが、適切な位置に入れることで読み手のストレスを軽減します。
逆に句読点を入れ過ぎると、このように、文章の塊が、区切られすぎて、カタコトに、なって、しまいます。
句読点は一文に多くとも3つ程度にするのがオススメです。
文章構成を理解する
よく論文やレポート、エントリーシート作成の時に「結論から書いて、その後に理由を述べろ」と口酸っぱく言われませんでしたか?
小説や脚本は別ですが、レポートや資料の場合は、文章の構成として一番最初に結論を見出しにして、それから理由を述べていく構成が一番読みやすいです。
下記の見出しを比較してみてください。
1:「文章力を鍛えるポイントは改行を意識すること」
2:「普段、文章をどんな風に書いてますか?」
1番は結論をいきなり出しているので、短くスッキリまとまっており、読み手も内容が何となく想像出来るので読む際にストレスが少ないです。
しかし、2番は何だか商品のキャッチコピーのようですね。キャッチコピーとしては問いかけによって相手の興味を引くので正解なのですが、資料やマニュアルにこんな思わせぶりの書き方をするのは、ちょっと不親切ですね。
結論 → 理由 → 補足 → 結論を再度述べる
プレゼンやメール、マニュアルの文章を作る際は上記の構成を意識しましょう。
?マークを連発する幕の内メールはNG
幕の内メールという言葉をご存知ですか? 女子高生がよく使うスラングですが、1つのメールにたくさんの話題を振りまいて、返信する側にストレスを与えるメールのことです。
例えば
~の件、その後、いかがでしょうか?
また、~の納期ですが水曜日でよろしかったでしょうか?
~ですが、今週中の納品は難しいので、来週に伸ばしていただけないでしょうか?
上記のように、返信する側の都合を考えず、質問を詰め込んだメールのことを幕の内メールといいます。
通常、ビジネスメールで問い合わせや質問をする時は
○○の件につきまして、3点質問がございます。
1:~~
2:~~
3:~~
のように、番号で振り分けたり、改行をして見やすくする努力が大切です。
幕の内メールは、そういった努力をしていないため、非常に嫌われるメールです。
出来れば質問がまとまらないよう、細かくやり取りをすることが大切ですが、仮に質問が多くなっても上記のように番号を振ったり改行を使って見やすくしておきましょう。
学んだテクニックを実践することが大事
見やすい文章構成やテクニックを学んだら、実際に文章を書いてみるのが一番です。
ブログで日記やレポートを書くのも立派な練習になりますし、2chで議論をするのも、文章を書いていることには変わりないので勉強になります。
その際は、読みやすい文章のルール(結論を最初に書く、適切に句読点や改行を使う)を意識して書くと良いでしょう。
読みやすい文章を書けるようになると、会社で「あいつは仕事の出来る奴だ」と思わせることが出来ますし、掲示板やブログでの反応も違ってきます。
文章というのは、その人の知性や品位を表します。
仕事以外でも、例えばお店に問い合わせをする際も、文章によって与えるイメージは大きく変わるのでより良いサービスを受けられる可能性が上がります。
1:この前、そちらでiPhone5買ったんですけど壊れてました。どうしたらいいですか?
2:先日、そちらでiPhone5を購入したのですが、カメラ機能が作動せず困っています。返品、もしくは機種の交換は可能でしょうか? よろしくお願いします。
この二つの問い合わせを見て、どっちの方が返信しやすいですか?
1番は「壊れた、何とかしろ」と求めていることが抽象的ですし、投げやりな文章で「クレーマーかな?」と思われても仕方有りません。
一方、2番ならば、どこが故障していたのかも分かりますし、返品か機種交換を求めているのだとハッキリ分かるので返信がしやすいですね。
文章力におけるライティングとは、相手の立場に立って、読みやすい文章を作る力です。
文章力があれば仕事でもプライベートでも良いことづくしなので、ぜひ文章を意識して書き、文章力を高めて下さい。