日本のブラック企業の滅私奉公マインドは神風特攻隊の精神論と似ています。
命を国に捧げることを誇りに思え、という客観的に見れば明らかにおかしい精神論を、無理矢理に集団心理を利用して洗脳し、奉仕させる。
このプロセスは今日のブラック企業に引き継がれており「仕事があるだけありがたいと思え」「成果が出せないならサービス残業で奉仕しろ」といった理論で労働者を食い物にする、まさに現代の神風特攻隊と言えます。
かつてアメリカから「クレイジー」と呼ばれた特攻マインドが、現代でも過労死の無くならない病んだ日本社会という形で存在しています。
なぜ日本のブラック企業は特攻隊マインドを好むのでしょうか?
その洗脳方法を詳しく噛み砕いて説明します。
正社員にならなければいけないという洗脳
リーマンショック以降、未だに正社員の神格化が日本を支配しています。雇用体系が硬直化した日本では、今後も正社員神格化の流れは続くでしょう。その神格化ゆえに、正社員という地位を維持するために理不尽な労働環境でも離職出来ない、といった環境がブラック企業を生み出す一つの原因になっています。
ブラック企業の多くは正社員で募集し、サービス残業や長時間労働を押し付けます。正社員は責任が重い、簡単に辞めてはいけない、という世間の声を利用出来るからです。アルバイトをサービス残業漬けにするブラック企業もありますが、アルバイトはすぐ辞めてもいい、という風潮がありますし、すぐに別のアルバイトが見つかるのでブラック企業の洗脳は効きにくいです。
ともあれ、マスコミや大学がいたずらに正社員神格化を押し進めることによって、幼稚園から大学まで「みんな一緒」の教育を受けてきた若者たちは一人独自の道を歩むことを恐れます。
これもまた、ブラック企業にとって洗脳しやすい環境要因の一つになっています。
会社を辞めたら恥ずかしくて友達と会えない、親に申し訳ない、といった罪悪感を使い、無茶な労働を押し付けても会社を辞めないだろう、とタカをくくっているのです。
まじめな人や責任感の強い人ほど、ブラック企業に押しつぶされ、精神的に病んでしまいます。
皆これくらい耐えているという洗脳
「社会人ならサービス残業くらい当たり前」
「こんなことで辞めたら他では通用しない」
「職歴が浅いのに辞めたら転職で苦労するぞ」
こういった皆は頑張っている、という理屈を出してくるのも、ブラック企業の常套手段です。
会社というのは閉鎖的な環境です。他の社会人の労働環境が見えず「他の会社もこんなもんなんだろうな」と思ってしまいがちです。だんだんと現在の環境が普通になってしまい、やがてサービス残業も普通のこと、と思い込んでしまい、後輩にもそれを強要する……こういったプロセスを経てブラック企業の環境は出来上がります。
皆がやっているからお前もやれ、の精神は村社会である日本ならではの理屈であり、それが一度悪い方向に向いてしまうと、どんどん労働環境は黒くなっていきます。
本来であれば労働局がそれを正す役割を持っているのですが、日本の労働局は正しく機能しているとはいえません。労働基準法違反に対する罰則も緩く、ブラック企業は「赤信号みんなでわたれば捕まらない」の理屈が通ってしまうため、現在も増え続けています。
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冷静に見極める知識が必要
こういった神風マインドに巻き込まれないためには、冷静にリスクとリターン、メリットとデメリットを見極める客観的な視点と、正しい知識が必要不可欠です。例えば、労働法を知らなければ、ブラック企業にいいように使われたり、罰金をとられたりしても泣き寝入りです。
ブラック企業にいることで、得られるメリットと受けるデメリットを冷静に判断出来なければ、ずるずるとブラック企業に根付いてしまい、最終的に使い捨てされてしまいます。
企業は労働者を守ったりはしません。
自分の働く環境は自分自身で守らなければいけないのです。
学生のうちは分からないかもしれませんが、日本の労働者を取り巻く環境は想像以上に混沌としています。生き延びるために、しっかりと自分を守る術を身につけましょう。
ブラック企業から逃げるために最も現実的な策は、転職をすることです。
しかし、転職をしようと思っても、どう進めていけば良いのか分からないですよね。
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