よく分からないなら株取引や投資なんかに手を出すな。退職金を溶かして一番辛いのは精神的苦痛

NISAだ株高だと最近は株取引に投資しようというキャンペーンを官僚主導で行っているが、株取引というものを良くわかっていない人が多い。お金に対して意識の高い人ならば株取引の仕組みや損得のリスク・リターンも分かっているから良いが、一番いけないのは株取引のことが良くわかっていないけど儲かると聞いたからやってみよう、という人だ。
こういった人は株取引をするのはやめておいたほうが良い。問題点はまず第一に稼げるという盲目的な思い込みが最初にあり、損をした時に精神的ダメージが大きく、勝とうが負けようが株に付きっきりになってしまうからだ。


株式投資で余裕を作るはずが依存に…

そもそも株取引や投資はお金に働かせるという名の通り、放っておいて長期的に資産を増やしていくのが基本だ。またはインフレや円安に対してのリスクヘッジでもあり、1日1日の株取引で一喜一憂するデイトレードをしていいのは専業トレーダーだけである。
時間的余裕と精神的余裕を産むはずの投資がいつの間にかその人を束縛し、精神を支配する結果になっては、まさに金に支配される、金に踊らされるという言葉がぴったりである。それほど金・株の乱高下というのは中毒性が高いのだ。

株取引はギャンブルか投資かという話については、長期的にみればギャンブルではないと言う意見が多いが、スカイマークの株の下落や東電福島第一原発事故の問題、311の東日本大震災での株の下落などを考えると、やはり損をしないという保証はない。通常は分散投資をしてリスクを減らしているが、それこそ株取引について熟知していなければ出来ない話だ。

つまるところ、株取引が儲かるというだけで参入するのは精神的にも悪影響を及ぼす危険性があり、定期預金をして増えていく数字を見てニコニコしていたほうがよっぽど幸せだということだ。お金はそれ自体が目的になると人間を狂わせる恐ろしいものである。しばしばFXや株取引で退職金を2千万溶かしたとか、老後の資金が吹っ飛んだなどという声を聞くが、すべては儲かるという思い込みで全力買いをした結果なのである。

円天という事件から学ぶこと

円天という超巨額の投資詐欺事件を覚えているだろうか。簡単に言えば円天という擬似通貨、今で言うビットコインみたいなものに投資すると利率がとても良いですよ、ともちかけて、実は内部では円天で円天を増やす自転車操業、国内製サブプライムローン(機能は全く違うがイメージとして)だったというお粗末な投資詐欺である。
なぜこんな胡散臭い詐欺に引っかかったかというと、やはりメインターゲットは退職金を持っている高齢者で、金利というわかりやすい罠に騙され将来の不安を払拭するために退職金を増やそう! という安易な気持ちがネズミ講のように友人からの紹介制度によってどんどん吸い込まれていったのだ。

人は不安を払拭するためにお金に頼ろうとするが、そもそもお金は不安を解消するという側面の他に、不安を生み出すという暗黒面もある。お金の教育を受けてこなかった層はいつまでたっても経済のからくりに気づけず、円天のような投資詐欺に引っかかり後悔を産んでしまう。

生きてるだけで丸儲け

今の官僚相場と言われる株高に、多くの人が「株を買っておけば良かった」と後悔しているが、そもそも株はここまで上がる可能性もあればさらに下がった可能性もあるのだ。株に詳しい人からすればボーナス相場だっただろうが、素人にとって株を始めるベストタイミングなんてものはたった一つだけ、株やお金について勉強をしてから入ればいいのだ。
株式投資にマネーを集めようという官僚達の目論見通り、わけもわからず金だけを持ってきた鴨達は、浮かれたり沈んだりを繰り返して踊らされていく。人間は欲望だけを求めても幸せになるハードルがどんどん高くなるだけで、幸せになることは決して無い。
生きてるだけで丸儲けの精神で生きる人々のほうが、よっぽど幸せそうに見える。結局のところ、最後に幸せになるのはお金に踊らされた人ではなく、お金と上手に付き合っていける博学な人だということだ。私達は本を読み、新聞を読み、自分の頭で考えてお金の使い道を決定したい。官僚相場に踊らされていると、いつかしっぺ返しをくらい失意の底に沈んでしまうだろう。







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