2015年1月14日にクローズアップ現代で包装された物流危機の特集を見ても分かる通り、現在、トラック運転手の成り手が現象している。国土交通省の調べによると、1997年に89万人いたトラック運転手の数は、81万人にまで減っている。約10%もトラック運転手が減っている計算になる。
これは少子化や職業の多様化による影響だけではなく、年々下がっているトラック運転手の給料も大きな原因になっている。昔はキツイが稼げるの代名詞だったトラック運転手という職業だが、物流の需要が増えた現代でも年収が上がらない原因とは何なのか?
トラック運転手の年収は1997年の月給42万6800円、年収にして480万前後がピークであり現在は月給36万前後、年収にして400万前後が平均値になっている。年収300万に満たないワーキングプア層のドライバーも16%近く存在しており、キツイが稼げるというキーワードはもはや見る影もない。今ではトラック運転手という職業はキツイ、稼げない、危険の3k職業となっているのが現状だ。
実際、長距離運転をせざるを得ないトラック運転手は常に事故のリスクを背負う。また人手不足が起因となり長時間労働が蔓延しており、とても給料に見合った労働条件でないことは確かだ。昔は他の職業につけなくてもトラック運転手になれば稼げる、という話があったが、ネット社会の今ではもっと楽に、リスクも少なく商売が出来てしまうため、そちらに流れるのも無理はない。
即日発送の呪縛
なぜここまでトラック運転手の年収は低くなってしまったのか? それは、バブル崩壊以降に運賃相場を引き下げ続けたツケが、トラック運転手の給料を蝕んでいるからである。また物流業界はAmazonをはじめとしたネット通販の『即日発送』という呪縛に縛られているのも見逃せない。即日発送は便利であるが、即日発送ともなれば当然、トラック運転手の需要と労働時間は跳ね上がる。発送日とは一般で言う納期であり、理由なく遅れることは許されない。我々にとって当たり前になった即日発送が、トラック運転手の労働条件をさらに悪化させて、現在のトラック運転手の人手不足につながっている。
また、運送業界はブラックな会社も多く、それがまたイメージを悪化させており敬遠の原因となっている。運送業界は介護業界や外食産業と並ぶブラック業界として情報が出回っており、若者であろうと中年であろうと、なりたがらないのも当然である。
トラック運転手に転職するなら会社を選べ
そのような理由で、人手不足になっているトラック運転手に転職するのは容易である。中型免許取得をサポートする会社も多く、50代で若手と言われている物流業界では、職歴が荒れていても問題なく入社出来るだろう。年収は400万前後と労働時間のわりに低めだが、車の運転が好きor一人で働くのが好きな人にとっては居心地が良いという。ただし、事故のリスクは常にあるので、労働時間の管理がしっかりとしている会社に転職するべきである。
トラック運転手にかぎらず、ドライバーにとって長時間労働は事故リスクの上昇を意味する。しっかりした会社にさえ転職出来れば、トラック運転手は年をとっても働ける職業になるだろう。
意外と会社に馴染めなかった人がトラック運転手として活躍することも多い。その理由は、運転が始まってしまえば、その最中は一人で過ごせるからだ。コミュニケーションが苦手な人間にとって、これほど気楽なことはないだろう。嫌な上司も同僚もいない。
どんな仕事でも人間関係でぽしゃってしまう人は、一度、ドライバーを経験してみるのもいいかもしれない。事実、私の教え子で人間関係を構築するのが苦手だった転職者は、こういった一人仕事につくと途端に長く勤められることが多かった。
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転職エージェントサービスというと、昔はヘッドハンティング、高収入な転職のみとされてきましたが、現在は運送業界での人手不足もあいまって、ドライバーの中途採用を積極的にサポートする転職エージェントが増えてきています。
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