社会人としてバリバリ働いているうちに、ふと身体の調子がおかしくなることはあると思います。
しかし、毎日、動悸や身体のだるさ、ふとした瞬間に身体が動かなくなる、出社しようとすると身体が震える、などの症状が現れたら、鬱病を疑いましょう。鬱病の初期症状は「勘違いかな?」「疲労かな?」と思ってやり過ごしてしまう人が多く、まさか自分は鬱病にならないだろうと思っているうちに症状が深刻化してしまうケースが多いです。
特に仕事量が多く、毎日夜遅くまで頑張って仕事をしている人は、知らず知らずのうちにストレスをためており鬱病になっていることがあります。鬱病は放置すればするほど悪化して、最悪の場合、治療に1年かかるくらいに重症化することもあります。
今回は社会人が鬱病になった時にやるべきことを紹介します。
鬱病は静かに身体を蝕む
鬱病はいつ襲ってくるか誰にも分かりません。大きなストレスや疲労が慢性的に続くと、鬱病は突然起こります。
長時間労働の他にも、精神的なプレッシャーや叱責などでも起こります。一番、鬱病が重症化しやすい人のタイプは「自分は疲れていない」「休めば治る」と思って初期症状を無視してしまうタイプです。
鬱病の初期症状と疲労によるだるさ、夏バテなどの症状は大きく異なります。
身体の震えや朝起きられない、身体が動かないなどの症状は鬱病特有で、本人も「鬱病かもしれない」とは思いつつもそうとは思いたくないがために、無理やり「寝れば治る」と初期症状を無視してしまいがち。
初期症状の時にこそ精神科を受診して薬を貰っておけば、早期に治療できます。
しかし、初期に精神科にいかず無理をして働き続けると、恐ろしいことが起こります。
通常業務が出来なくなり思考が停止する
「今、何をしているんだっけ?」
と、記憶が飛んでしまったような症状が出始めたら危険です。
自分が何をすべきなのか分かっているのに身体が動かない。頭が現状を理解せず、思考が麻痺状態になったら、それは完全な鬱病です。やがて朝起きられなくなり、夜中にストレスで歯ぎしりをするようになったり、ふと電車を待っている時に衝動的に飛び込みたくなったりと、鬱病が進行すると明らかな異変が起こります。
ここまで来ると、自分自身でも鬱病とはっきり分かるようになります。
また仕事が全く出来なくなり、電車に乗る際にパニックになることもあります。こうなってしまったら、早期に病院を受診して、診断書をとり休職の手続きを取らなければなりません。
重症化した鬱病は、半年で治れば良い方で、基本的に1年は治療にかかると思って下さい。
そのため、休職期間では治りきらず、退職を余儀なくされることもあります。
初期症状の時に休職をしておけば、投薬と休息で半年以内に治す事は可能です。
しかし、思考が麻痺するまで鬱病が進行してしまうと、退職も視野に入れなければなりません。
鬱病で退職することになったらどうなる?
鬱病で退職をして、お金もキャリアも失ってしまうのは恐ろしいことです。
しかし、もっと恐ろしいのは鬱病が深刻になり自殺に追い込まれることです。鬱病が限界まで深刻化すると幻覚や幻聴、パニック障害を引き起こし、本当に自殺まで追い込まれてしまいます。
きちんと診断書を取って休職すれば、傷病手当金が貰えますし、退職することになっても鬱病での退職であれば失業保険の待機期間も無く、補助金もしっかり貰えるのでしばらくは大丈夫でしょう。
それよりも、1年かけてでも鬱病を完治させることが先決です。
鬱病を完治させない限り、再就職はおろか日常生活も大変になります。鬱病になると全てのやる気が無くなり、食事や排泄などの日常作業ですら出来なくなってしまいます。
もし鬱病になってしまったら、無理をせず、すぐに精神科、メンタルクリニックを受診して診断書をもらい、休職手続きを行いましょう。
鬱病は治りかけが一番危険
鬱病は治りかけが一番危険だということを知っておきましょう。
例えば、治療から3ヶ月ほどすると、投薬の効果があらわれて少し楽になります。しかし、この段階で「もう私は大丈夫だ」と思って仕事に復帰してしまうと、また鬱病が起こって完治が遅くなってしまいます。
鬱病の治療にかかる時間は最低でも半年、通常は1年だということを肝に銘じておきましょう。主治医の許可が出ないうちに復帰してはいけません。
また、復帰後はすぐにフルタイムで働くのではなく、時短勤務やアルバイトなどで「ならし運転」をして徐々に身体を馴染ませましょう。
とにかく、鬱病に無理は禁物です。
鬱病は心の風邪と言われているように、誰でもなる可能性があります。そして、重症化すれば風邪が肺炎になるように、大変なことになってしまいますから、鬱病になったら落ち着いてしっかり治しましょう。
鬱病を引き起こす原因一覧
社会人の鬱病の原因になりやすいものをあげておきます。
・満員電車、通勤のストレス
・長時間労働による疲労、ストレス
・激しい叱責、連日の詰め
・社内における人間関係のトラブル
・睡眠不足、休日出勤など
全体を通して言えることは、ストレスを癒す時間の確保が出来ていない時に起こりえるということです。
もし、休日の少ない会社に勤めていて、鬱病の初期症状が出始めたら思い切って転職するのも一つの手です。
自分の身体を守れるのは自分しかいません。逃げ出す勇気が必要な時もありますから、自分の身体を第一に考えましょう。