「会社を辞めよう」
そう決意したはいいものの、退職というのは、なかなか言い出せないものですよね。
また、退職するといっても特に新卒者は、どんな流れで退職をすればいいのか? どんな手続が必要なのか? また引き止められたらどうすれば…? 等々、疑問が絶えないと思います。
しかし、退職の流れや、その後の手続きなどをしっかり把握していれば、恐れることはありません。転職を考えているのならば、在職中に出来る転職準備はありますし、退職後の不安を取り除く方法はたくさんあります。
今回の記事では、下記の流れにそって一つ一つ解説をしていこうと思います。
・退職の流れ:退職の意志を上司に伝えてから会社を出るまで
・退職後の手続き:失業保険や年金、健康保険などの手続き
・転職準備:在職中からでも出来る転職の準備と転職のやり方について
退職の流れについて
会社の辞め方には二種類あります。
1:辞意を上司に伝えて、退職届を出し、2週間~4週間ほどの引き継ぎ業務を経て退職する『円満退職』
一番スタンダードな会社の辞め方です。一般的には、この形になります。
2:「今日で辞めます」とメールなり直接なり伝えて辞める『バックレ退職』
ブラック企業など、あまりにも酷い会社、辞意を伝えても辞めさせてくれない会社に対しては、強攻策としてバックレ退職を選択した方が良いケースがあります。もちろん、退職届は郵送、もしくはメールで送ることも可能です。
これ以上、会社に行ったら会社に殺される。上司にストーカーされている。うつ病寸前で辞意を伝えられない。辞意を伝えても辞めさせてくれない…といった場合のみ利用しましょう。毒をもって毒を制す。他のサイトでは、あまり紹介されていない方法ですので、体験談を沿えて紹介します。
3:休職からやむを得ず退職する『病気退職』
通常の病気で退職することは、あまりありませんが、うつ病になってしまい、これ以上、仕事をすることが出来ない、もう会社には行けない場合は病気退職となります。無理をして出社して辞意を伝えなくても、大丈夫です。
1:円満退職の流れ
まず会社の直属の上司に辞意を伝えます。皆がいる前で突然「辞めます」というのではなく、大事な話があると伝えて会議室などで話しましょう。告白に似ていますね。
上司から退職理由や引き止めにあう事がほとんどで、2,3日保留して、再び辞意が確かなのか聞かれる事が多いと思います。決意が固い事を伝えて、退職の手続きをお願いしましょう。
上司のさらに上の役職、人事部長なども集まって話し合いの場を持つこともあります。
退職の意志が上司、人事部長など上の方々に伝わったら、仕事の引き継ぎ、退職日の設定、有給の使用についての説明があります。引き継ぎは、自分の仕事を引き継いでくれる同僚や先輩に迷惑がかからないよう、今進めている仕事についてしっかり伝えておきましょう。
退職日はおおむね二週間から一ヶ月後に設定されることが多いです。有給は、あまっている分は退職日までに使うことが出来ます。退職日が近いと、引き継ぎの関係ですべて消化出来ないことがありますから、退職日をうまく調整して有給を消化しましょう。
そして、退職届を出すことを求められると思います。退職届というのは、会社によってフォーマットがあるところもあれば、無いところもあります。もしフォーマットが無く、自分で作って出してくれ、というのであれば、パソコンで制作して印刷したものを提出しましょう。
退職日を迎えたら、送別会などを経て、はれて円満退職の完了です。
2:バックレ退職の流れ
長時間労働の強制や、辞意を伝えても「今辞めたら損害賠償を起こす」など脅してくるようなブラック企業であれば、円満退職は不可能です。バックレ退職か病気退職による退職しか道はありません。うつ病になるまで頑張ってしまうと、再就職が大変になりますので、病気になるまで追い込まれる前に逃げましょう。
バックレ退職に流れは特にありません。メールでも電話でも良いので「辞めます」と上司に伝えましょう。出社拒否、郵送による退職届の提出で構いません。法律的には、内容証明郵便による退職届を提出すれば、2週間後には労働契約は解除されます。
そのことにより、経営に損害を与えても、労働者は損害賠償を受けません。退職したら会社に訴えられた、という話は聞きませんし、仮にあったとしても裁判するだけお金の無駄なので、会社はいちいち損害賠償請求などしません。仮に言ってきても脅しなので「裁判するならどうぞ」と強気で構えて下さい。
仮に頭のおかしい会社が裁判を起こしてきても、弁護士などに頼ることもなく、勝訴することが出来ますから問題ありません。99%あり得ない話ですが、念のため、内容証明郵便で退職届を出しておきましょう。
このようなブラック企業が裁判を起こしたら、裁判官は困惑することでしょう。
とにかく、急な退職は合法ですし、あなたが非難されることはありません。それはアルバイトであっても正社員であっても同様です。ブラック企業にはブラックな辞め方でOKです。義理や恩義を図る必要は一切ありません。円満退職が難しそうであれば、辞表+出社拒否でOKです。
退職届を出せば雇用契約を解除出来る、というのは民法627条に当たります。念のため、民法627条をはっておきますね。
民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
これ以上、ブラック企業を甘やかすのはやめましょう。あなたのためにもなりません。ブラック企業がのさばるだけです。
退職後は、会社から源泉徴収票や離職票、年金手帳を送ってもらうのですが、もしブラック企業が送ってこなかった場合はもよりの労働基準局に相談しましょう。労働基準局の担当者がかわりに催促してくれます。
病気退職の流れ
病気が酷く、退職する場合は退職届を出さなくても良いケースがあります。辞意をメールなり電話なりで伝えればOKです。
郵送で送ることも出来ますが、それすらも難しい場合は、とにかく早いうちに病状と辞意を会社の担当者に伝えましょう。
担当者も、相手が病気であれば理解を示してくれます。
退職後の手続きについて
退職後にまずやるべきことは、住民票のある市役所などに赴いて、年金と健康保険の切り替えを行うことです。これをやらないと、年金滞納や健康保険の失効などにつながるので、一番最初にやっておきましょう。基本的には、退職後20日以内に手続きをすることが原則になっていますが、お役所的にはそこまで縛られている訳ではないので、臨機応変に対応してくれます。
市役所の担当部署にいけば、慣れた職員が説明、手続きを素早くやってくれるので、意外とすぐ終わります。健康保険料や年金は、これから自分で収めることになるので(コンビニ支払いや銀行引き落としなどを利用)貯金をしっかりしておきましょう。
離職票が会社から届いたら、失業保険の手続きをしましょう。
離職票を持ってハローワークへ行って下さい。失業保険の手続きが行えます。
ハローワークで失業保険の手続きをする際に必要な道具は、下記の通りです。
■ 離職票-1・離職票-2(退職後、2週間程度で会社から送られてきます)
■ 雇用保険被保険者証
■ 運転免許証・パスポートなどの身元証明書
■ 印鑑
■ 証明写真2枚(直近3ヶ月以内・たて3cm×よこ2.5cm程度)
■ 本人名義の銀行預金通帳(郵便局でもOK)
失業保険は、雇用保険の加入期間が1年未満、つまり会社に入って1年以内に辞めた場合は受け取ることが出来ません。しかし、うつ病や怪我、長時間労働によってやむを得ず退職した場合は、特例として入社から半年たっていれば受給資格を得ることが出来ます。
失業保険は、申請後、すぐに貰えるわけではありません。自己都合退職の場合、手続きから3ヶ月間は待機期間といってお金が貰えません。しかし、うつ病ややむを得ない退職の場合は待機期間なく受給出来ます。診断書や客観的な証拠が必要なので、診断書もしくは長時間労働の証拠などを用意しておきましょう。ハローワークの担当者にその旨を伝えればOKです。
なお、内定が決まっている人、3ヶ月以内に転職を終わらせる自信がある人は失業保険の手続きはパスしても構いません。もちろん、1年以内に辞めた人も同様です。
同期や先輩が良い人で辞めにくい人へ
会社を辞めたいけど同期や先輩が良い人で辞められない…という悩みが多いので、それに関して一つだけ。
人間関係が良好な職場であれば、多少、労働環境がブラックでも耐えられます。逆に人間関係が最悪なら、労働環境がホワイトでも続けるのは難しいでしょう。しかし、その中間、ブラックだけど人間関係は悪くない(上司を除く)といった場合は、辞めるか否かの判断に迷うことがあるでしょう。
辞めたい気持ちが60%、辞めたくないが40%…といった場合は、職歴が貯まるまで耐えて、職歴の年数が転職において武器になるライン(1年半~3年以上)に達してから辞める、というのがひとつの手です。もしくは「次に上司が責任転嫁してきたら辞める」「次のボーナスが出なかったら辞める」などでも良いです。
ポジティブな理由にせよネガティブな理由にせよ、区切りのラインを決めておくと良いでしょう。
しかし、覚えておいて欲しいのは、会社をやめても仲が良いなら人間関係は切れません。私もかつての会社の同期と飲むことはあります。例え同期や先輩に後ろめたい気持ちになっても、退職は自分の意志で決めるべきです。人間関係は大切ですが、自分の将来のことも考えて、進路を決定しましょう。
ちなみに、上辺だけの関係だった場合は別です。辞めた後、会社内で退職した人間の話なんて出ません。いなくなったら、それまでです。冷たいように見えますが、これが社会というものです。
転職エージェントを利用して効率的に転職をしよう
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自己分析もキャリアプランも、一人で考えると限界がありますが、転職のプロであるエージェントに相談すれば自分だけでは見つけられなかったキャリアの可能性が出てくる可能性があります。また、給与交渉などもエージェントを仲介して行えるので、年収アップの確立がグッと上がります。
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