住宅の購入は単純に現在の収入と将来の収入見込み、そして住宅ローンの支払いだけで考えてはいけません。何故ならその計画だと大切なことが抜け落ちているからです。それは子供の結婚・出産・教育資金・老後の生活費といった全体のライフプランです。
住宅を購入する場合は人生の全体像、未来のキャッシュ・フローまで考えなければならないのです。
そこで今回は、ライフプランの中でも特に重要な老後資金や教育資金の考え方について紹介していきます。
教育資金は思いがけず高額になる場合がある
ではまずは教育費について考えていきましょう。
一人の子供を成人するまで育てるのに、どれくらいのお金が必要になると思いますか。普通に一人の子どもを育てて、高校・大学を卒業させたとしましょう。高校・大学のうちどちらかが私立になれば、1000万円は簡単に超えてしまいます。
もちろん、高校は公立、大学は国立、となれば、学費自体は多くはかからないかもしれません。しかしながら、子供が病気になってしまえば、入院費や治療費などの出費がかさみます。
また熟やピアノなどの習い事をさせていけば、トータルで考えると大きな金額になってしまうのです。たった一人の子供だけでもこれだけ考えなければならないのですが、子どもの人数が3人になればいかがでしょうか。
単純に、3000万円以上の教育資金が必要になってしまいますよね。ですから、住宅購入を考える際は、子供をどのタイミングで何人くらいつくるのか、そういったところまで考えておかなければならないのです。
老後資金として、どれくらいの金額が必要なのか
次に考えなければならないことが老後資金です。サラリーマンとしての定年退職が60歳だとして、何歳くらいまで生きているとお考えでしょうか。仮にその年齢を85歳だと仮定したとしましょう。
そうすると25年間でどれくらいの生活費が必要になると思いますか。家賃やもろもろの生活費で毎月24万円かかるとすれば、合計で7000万円以上の金額がかかります。それをある程度年金で補えると想定したとしても、少なくとも3000万円の貯蓄が必要になるのです。
老後までに住宅ローンを支払いながら3000万円の貯蓄をつくろうと思えば、夫婦共働きが必要になったり、副業が必要になるかもしれません。もっと高い年収が必要だと気がつけば、転職やスキルアップの為に資格取得が必要になるでしょう。
もしくは副業や株式投資など資産運用が必要になるかもしれません。今の会社でどのように振る舞えば昇進していけるのかを真剣に考えるきっかけにもなるでしょう。
将来のキャリアアップの為に長期に渡り俯瞰した人脈形成も計画しなければならないかもしれません。こんな風に老後資金まで俯瞰して考えれば、人生設計の感覚が変わりますよね。ですから住宅購入の際には老後まで考えることが大切なのです。
ライフプランの全体像を考えよう
いかがでしたでしょうか。老後資金や教育資金を考えると少なくとも4000万円くらいの金額が必要になることがわかりますよね。それ以外にも想定外の支出があるわけですから、そういったことも踏まえておく必要があるのです。
ですから住宅購入する場合は今後の人生設計を細かくお金に照らし合わせて考えなければなりません。既に結婚している場合はその辺りは夫婦でしっかりと話し合いましょう。独身の場合はパートナー選びの際に、子どもを何人くらい欲しいと思っているお相手なのかを見極める必要も出てくるでしょう。
このように、住宅購入する際は綿密な計画性が必要です。支払いが一回でも滞れば、金利が変動するリスクもあるので、常時ある程度の唐突な出費に対応できるだけの貯金もつくっておく必要があるのです。住宅購入する際は、教育費や老後までをしっかり見据えて、ライフプランを考えていきましょう。