2016年卒の就活から経団連のオッサンどもの気まぐれで就活時期が大幅に変更されるなど、新卒の就職活動は時代と共に様変わりしています。
就活の本格的なスタートがクソ暑い夏がメインになったり「選考は夏以降にやりまぁす!」と言っておいてこっそりインターンで青田刈りをしていたり、大人の都合で振り回される学生の身にもなってほしいものです。
さて、そんな愚痴はさておき、大学三年生の皆さんはこれから始まる就職活動に戦々恐々としているのではないでしょうか?
かつては「就活は大学三年からスタート」と言われていましたが、ぶっちゃけ今でもその流れは変わっていません。
行きたい業界、企業や自己分析を大学三年生のうちにしっかり準備しておくことで、書類選考や面接で有利な立ち回りが出来ます。
しかし、就活の準備といっても何を準備すればいいの? 何から始めればいいの? という人が多いと思いますので、今回は元外資系企業の人事である私が、大学三年生向けの就活準備と心構えについて紹介します。
大学三年生は就活の情報収集をするのではなく、最新ビジネスや世界経済について勉強しよう!
「よし、まずは情報を集めるぞ!」
と意気込んで、就活セミナーに参加したり先輩の就活体験談を見たり、何かと「就活」そのものに対する情報を集める学生が、三年生に限らず多い気がします。
就活情報を仕入れるのは、それはそれで正しい行動なのですが、就活マニアになっても内定が取れるようにはなりません。
就活のシステムばかり詳しくなって、肝心の自己分析や企業研究、業界研究が疎かになっている学生をよく見ますが、そのほとんどは就活で苦労しています。
これは、例えるなら、大学受験において
「慶応大学の英語は長文問題を最初にやるべきって知ってる?」
「暗記は夜やって朝に復習するのが一番なんだよ」
上記のような、豆知識ばかり集めて肝心の勉強がおろそかになっている受験生に似ています。
どんなに効率のよい勉強法を調べても、実際に勉強をしなければ受験には受からないですよね。
ましてや就活は確実な正解の無い難題です。
もっと本質を見極めて行動しなければ、あっという間に無い内定のまま「就活の負け組」になってしまうでしょう。
では、大学三年生が最初にやるべき就活準備とは何なのでしょうか?
答え合わせをしましょう。
大学三年生の就活準備で一番大切なのは、最新のビジネスニュースや世界経済の動向、革新的技術などの情報を集めることです。
例えば、今、革新的な技術として話題になっている自動運転。日産やトヨタなど日本の自動車業界や、Googleを初めとするIT企業がどのような取り組みをしているか知っていますか?
金融に革命を起こすと言われているフィンテック技術を、簡単に説明出来ますか。
いま、世界情勢はどうなっていますか?
中国バブルは何故はじけたのですか? 今後、成長が期待できる市場、国はどこか予想出来ますか?
…こういった「ニュース」に関する知識は、就活を行う上で、必ずどこかで試されます。
よくあるケースとしては、グループディスカッション。
例に上げた自動運転のメリット・デメリットを議論しなさい、と言われた時、こうした知識に疎ければ一発でアウトです。
個別の面接でも「最近、気になったニュースは?」と聞かれて、何も答えられないようじゃお話になりません。
就活では「大企業には学歴フィルターがある」「インターンで採用が決まる」「自己分析をしっかりやる」「面接は結論から話す」etc、etc…
色々なテクニックや情報が舞い込んできますが、多くの学生が経済・ニュース・業界の動向など基本的な知識を持たずに就活に突撃しているのが現状です。
これは、はっきり言って竹槍を持って戦車に突っ込むようなものです。
竹槍で勝てるわけないでしょう。常識的に考えて……ッ!
冷静になって考えてみてください。企業は何を目的とする組織ですか?
社会貢献? それは、あくまで二次産物です。社会貢献ならボランティアで十分。NGOなり国境なき医師団なり色々あります。
企業の目的。それはお金を稼ぐことです。
皆で頑張って働いてお金を稼いで雇用を作って、可能であれば海外のシェアを奪って外貨を稼いで日本を豊かにして…。
企業がお金を稼ぐから、私達は生活したり給料を貰ったり、便利な商品・サービスを利用することが出来るのです。
「御社に入って社会貢献したいです」みたいな自己アピール、大いに結構。
しかし、社会貢献にフォーカスしすぎてビジネスの面が疎かになっているような脳内お花畑の学生には、絶対に内定を出しません。
現実は非情。地獄の沙汰も金次第…ですよ?
当然ですが、学生のうちにベンチャー企業を立ち上げてバリバリ稼ぐスーパー大学生のように「稼ぐ力を身につけてから就活に挑め」とは言いません。
その代わり、最低でも世界経済や最新のビジネスについて、勉強してきて下さいね。じゃないと、将来稼ぐ人材になるかどうかのポテンシャルを図ることすら出来ないのですから…というのが企業の本音です。
大学三年生ならば、まだまだ時間はあるのですから、就活テクニック云々の浅い知識を詰め込むよりも、まずは地力をつけてグループディスカッションや面接で切り返せる現代知識をつけておきましょう。
時事問題の知識は、SPI対策のみならず、面接・グループディスカッション対策、志望動機や自己PRにも使える万能の宝具です。
テニサーで酒しか呑んでこなかったアホ大学生でも、Fラン出身の真面目系クズな学生でも、時事問題の知識を持っていれば必ず有利に戦えます。頭がよく見えますし、志望動機に説得力を出すことだって出来ます。
面接官に「なかなかビジネス(or社会、経済)について勉強しているな」と思わせることが出来ます。
無趣味ノンバイサーのぼっち学生でも「趣味:成功した企業の取り組みを調べること」なんて知的な趣味が書けます。
……。
少し興奮し過ぎました、申し訳ない。
ここまで、私が強めにプッシュしたのには理由があります。
それは、私が現役の人事だった時、新卒の就活生には本当に、ほんっとーに、ガッカリさせられたからです。
面接において、誰もかれしもアピールするのは同じような事ばかり。
「サークルのリーダーをやっておりまして~」
「私はコミュニケーション能力があります~」
「バイト先で売上を~」
金太郎飴のように、同じようなテンプレート化された自己PRがポンポン出てきて頭が痛くなりました。
彼らに悪気があるのではありません。
本屋にある就活本にも書かれている通り、志望動機や自己PRの作り方はもはやテンプレート化されており、既に新しいアイデアが入り込む余地が無いほど徹底的に合理化されています。
そのテンプレートをしっかり勉強して、自分のモノにして面接で披露出来るのですから、彼らは優秀な人材と言えます。
しかし、ふと「最近、気になっているニュースはありますか? あなたの意見も合わせて教えて下さい」と質問すると、普段から新聞やニュースの記事を読んで自分の意見を考えるトレーニングをしていない学生は、まるでテレビのコメンテーターのように当たり障りないコメントしか出せません。
結果、内定を出した学生に共通していたのは「経済や社会全般のニュースをしっかり把握しており、かつ説得力のある自分の意見が言える学生」でした。
どんなにテンプレート化された志望動機や自己PRでも「自分の意見」だけはテンプレ化出来ません。
そして、その意見でおおむね、その学生が持つ知識や価値観、人柄が見て取れるのです。
これから就活の準備をする大学三年生の皆さんには、就活の準備として下記の方法を取ることをオススメします。
1:日経新聞や日経ビジネスなどの新聞・ビジネス誌を最低2ヶ月以上購読して今起きているニュースや、各業界、世界経済の動きなどを勉強する
2:それに対して、自分の意見をしっかり考えるトレーニングをする。
大学三年生の就活準備において、最も効果があるのは、この2つです。
この2つは、就活が本格的にスタートして慌ててやって身につくものではありません。実践で使えるようになるには、最短でも2ヶ月はかかります。
どんなに高学歴な学生でも、この『自分の意見を言う』事が出来なければ、企業は内定を出しません。
企業が欲しい人材は『会社に入ってお金を稼ぐ事が出来る人材』です。ビジネスニュースや業界の最新動向、世界経済の動きについて、なんにも知らない人がお金を稼げる人材になり得ると思いますか?
かつては、企業が新卒の学生に求める能力の第一位が「コミュニケーション能力」でした。
しかし、近年は「勉強していること」「知識」がコミュニケーション能力を抜いて求めるスキルの上位に入るなど、企業もコミュニケーション能力などという曖昧な基準での選考をやめて、ほんとうの意味で頭のいい、勉強のできる学生を採りたいと思うようになったのです。
企業の採用担当者が求めている本質的な頭の良さ。それは、繰り返しになりますが世界経済・ビジネス・各業界動向などをしっかり勉強しており、かつ自分の意見が言える事です。
私からのアドバイスをまとめます。
大学三年生の皆さんは、まず日経新聞等を読んで自分なりの意見を考えてみる事から始めましょう。
日経新聞よりもビジネスに特化した「日経ビジネス」のオススメ
日経新聞を読みましょう! と言ったものの、最近は日経新聞をとっていない家も多いですね。
さらに、新聞というのは読み慣れていない人にとって読みにくいもの。
政治のニュースなども大々的にのっており、最新のビジネス情報や世界経済の動向に絞ると、ちょっと情報が物足りないものです。
かといって、ネットニュースだけでは、細かい点や掘り下げた部分まで考察されておらず材料として不十分です。
(ヤフーニュースなどは、情報源を新聞社から貰っているので二次情報ですし、就活生にはイマイチです)
そこでオススメなのが、最新のビジネスや世界の経済動向に主眼をおいた雑誌「日経ビジネス」を購読することです。
日経ビジネスは、日経新聞が発行しているビジネスに特化した雑誌で、今最も伸びている会社の特集やビジネスの動き、世界で注目されている技術・ビジネス、世界経済の動きなど、日経新聞に比べてビジネス方面の情報量が多く、就活に役立つトピックが満載です。
雑誌ですから当然、全面カラーで、写真も豊富なので「新聞を読むのが苦手」という人でも読みやすいです。
また掲載している記事はビジネスに絞って凝縮しているため、本は薄く移動時間や空き時間にさっと読めるのも嬉しい点です。
週に一回の発行なので、ほぼリアルタイムで今まさに盛り上がっている業界・ビジネスの動向を追うことが出来ます。
大企業の経営者へのインタビューなどものっており、あらゆるページが志望動機を考える有力な材料になるでしょう。私も学生時代に日経ビジネスを読んでいれば…と今更ながら後悔しています。社会人になった今、私は株式投資の情報集めのために「日経ビジネス」を購読しています。
また、就活で意外と重要なのが文章力です。
エントリーシート一つとっても、文章が読みにくかったり、語彙が貧弱だと、採用担当者から難色を示されてしみます。
本を読んだり文章を書く習慣のない人にとって、意外と盲点になるのが「読みやすい文章の書き方がわからない」という点。
やはり日頃からプロの文章を読んで、すらすらと文章を組み立てる日本語力がなければ、エントリーシート作成も面接での応答も上手くいきません。
そこで日経ビジネスが役に立ちます。
日経ビジネスはプロの記者、編集者が書いた記事ですから、当然、文章はプロが書いたもの。読みやすい文章構成や適切な語彙など、参考になる部分がたくさんあります。
日経ビジネスを読むことで日頃からプロの文章に触れておけば、いざ志望動機を書くときに有利ですし、文章構成について記事を参考にすることが出来ます。
日経ビジネスは
「就活がはじまるけれど、どんな業界が良いのかすらわからない」
「志望動機がどうにも上手く書けない」
「自己PRできるポイントが全然ない」
という、これといった強みがない学生・就活といっても何をしたらいいのか分からない学生にこそ役立つ雑誌なのです。
部活をやっている体育会系の学生は、部活の経験をアピール出来ます。
コンクールで賞をとるような文化系の学生も、その実績をアピール出来ます。
アルバイトやサークル活動をなんとなくやっていた学生は、彼らに比べて強みがないので苦戦するでしょう。しかし、日経ビジネスを読んで「ビジネスに強い学生」になれば、採用担当者に「こいつは稼げる人材だ」と思わせることが出来、彼らとも対等に渡り合える就活力を身につけることが出来るのです。
学歴や実績がなく、絶対に大企業は無理と周りに言われていた学生が私の教え子にいましたが、コツコツと日経ビジネスや日経新聞でビジネスの知識をつけたり、SPIの対策をしっかりやったり、さまざまな小さな努力を重ねた結果、大企業の内定を見事、獲得しました。
繰り返しになりますが、大企業の内定を取れる就活生は、誰でも出来る小さな努力をばかにせず積み重ねることでライバルに差をつけているのです。
ぜひ、就活生の皆さんは小さな努力の第一歩として日経ビジネスの購読を始めましょう。
まずは日経ビジネスを半年購読してみよう
日経ビジネスは、定期購読を申し込むと、新聞と同じように週に一回ポストに投函して届けてくれます。
まずは最小単位である半年分を申し込んで、就活に備えましょう。もちろん、社会人になった後も役立つ雑誌ですから、購読期間を1年以上にしても構いません。購読期間は長いほど1冊あたりの値段が割引されます。
現に私は社会人になった今でも日経ビジネスを読んでいます。
ビジネスニュースに目を光らせておくことで、投資先(株式投資)を考える際の材料を拾ったり、取引先の方と雑談をする際のネタにしたり、こうしてブログのネタにしたりできますから、非常に有益です。
就活のためだけに使うのはもったいないですから、社会人になった後もぜひ購読する習慣をつけると他の新社会人より一歩リード出来ますよ。
日経ビジネスの値段ですが、通常ですと最小ロットの半年購読で下記のようになっています。
日経ビジネス 新規購読 半年25冊 ¥13,800
1冊あたり552円ですね。
しかし、実は日経ビジネスには学割があるのです。
学割を利用すると、同じ半年コースで25冊:9600円で購入することが出来るのです!
1冊あたりの値段は384円と物凄くお得になります。
さらに、学割で1年定期購読(50冊)を選ぶと16900円。1冊あたり338円と非常に安価になります。
学割は学生だけの特権ですから、ぜひ下記の学割コースから申し込みましょう。
既卒者、一般社会人は下記の一般向けサイトからの購読申し込みになります。
値段を見比べると、やはり学生のうちに購読申し込みをしておいた方が、グッとお得ですね。
私にも学生の身内がいれば、学割で申し込めるのですが、あいにく身内はもう皆さん社会人になってしまっているので、一般向けの値段で購読するしかありません。学生の皆さんはぜひ、このお得な学割を利用して「日経ビジネス」を購読してくださいね。
日経ビジネスの記事をスクラップして自分の意見を考えてみよう
日経ビジネスや日経新聞の使い方として、気になった記事をコピーしてノートに貼り付けて、自分の意見をまとめてみる。
自分の意見をブログに書いてみる…といった方法がオススメです。
情報をインプットするだけでなく、しっかりアウトプットして就活に備えましょう。
社会人になった後も、日経ビジネスで得た知識は役立ちますから、ぜひオススメです。
(私は、その後のキャリアアップの転職や、株式投資をする上で大いに役立ちました)
日経ビジネスの受け取り方法や支払い方法について
雑誌の受け取りですが、週に1回、新聞と同じようにポストに投函されます。
支払いは雑誌に同梱or郵便で送られてくる「お支払いの書類」にてコンビニか郵便局で一括前払いをするだけです。クレジットカードを持っていなくても、簡単に支払えるので支払い方法で迷うことはないでしょう。
中途解約について
中途解約は簡単に出来ますが、定期購読の値引き分がなくなってしまうので、出来るだけ中途解約をしないようにしましょう。
今からライバルに差をつければ逆転内定も夢じゃありません
就活は、小さな努力の積み重ねが採用・不採用を分ける僅かな決定打になります。
大学三年生からコツコツ準備をしておけば、いざ選考が始まった時にライバルに差をつけることが出来ます。学歴が無くても大企業の内定を得られる事だって十分に可能です。
実際に、私の教え子は、学歴こそ低かったのですが、私のアドバイス通りコツコツ日経ビジネスの記事をスクラップして、ブログに自分の意見を上げて、最終的にインフラ系の大企業に内定しました。
皆さんも、ぜひ日経ビジネスを購読して「魅力的な就活生」になりましょう。
日経ビジネス:学割申し込みはこちら。
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