会社の花形部署というと、一般的に営業や広報といった前線部隊があげられる。
しかし、その裏を支える総務(庶務)という部署に、世間はどんなイメージを持っているだろうか?
ほとんどの社会人が『裏方』『社内調整やお祭係』『女子のための部署』など、総務のことについてあまりパッとしたイメージを持っていないようだ。
確かに、総務は社内調整の仕事が多い。備品の補充や社内イベントの調整、出張のためのホテル予約など、裏方業務であり、いわゆる雑用を担当していることが多い。
そのせいか、総務は女の職場、もしくは使えない人材の掃き捨て場と言われることが多い。
事実、いくつかの企業では、人材の墓場と呼ばれる窓際部署が存在する。
総務は、いってしまえばだれでも出来る仕事であり、客先に迷惑がかからない社内向け部署の総務がその役割を果たしていることが多い。出世街道から外れた部署であり、若い女性社員は寿退社していき、残るのは使えない男性社員と行き遅れたお局様だけ。
「納得してないけど、他に行く所ないしなぁ」
そう呟くのは50代男性、総務課のAさんだ。
Aさんは、かつては営業畑を歩んでいたが、鬱病を発症し営業部から異動。事務畑を転々として、最後に行き着いたのが総務だった。当時、朝から終電まで働いていた生活から一転、定時である6時キッチリ帰るようになった。
年収は出世街道から外れてしまっ為、それなりだが、一部の若手社員から羨ましがられているという。
「俺も定時で帰りたいです」
「どうやったら総務に入れますか?
男じゃ総務はダメですか?」
そんな質問をする若い社員が多いという。
Aさんはこう諭す。
「最初から総務に入る男性社員はいない」
「男性社員の場合、あくまで
色々な過程を経て総務にいる人がほとんど。
最近は女性も最初から総務というのは聞かない」
そして、彼らに総務に入ることのリスクを説明したという。
「総務に入ると抜け出せなくなるよ。
スキルもつかないし、中途半端な年齢でここに入ると
会社が傾いた時に真っ先に切られるし、再就職も難しい」
Aさんのように、定年まであと5年程度で、逃げ切りが可能な場合は、総務も居心地が良いという。しかし、若いのに総務に入って楽をすると、後で辛くなるという。もっとも、経営のお堅い大企業であれば、そうそう切られることはない。
公務員と同じくらい立場の強いインフラ系企業であれば、総務のぬるま湯ポジションを死守し、逃げ切るというのも一つの戦略かもしれない。
前線部隊は過酷である。事実、Aさんもストレスと疲労で鬱病になり、苦しんだ時期があった。
徹底的に前線部隊を避けて生き残るのも、現代の新しい戦略なのかもしれない。サラリーマンは戦争だ。
戦争では、結果を残したものだけが勝者ではない。生き残っただけでも、立派な勝者になれるのだ。
姑息でもいいから、自分なりの生き残る戦術を鍛えることが、今の若者にとって重要なのかもしれない。
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